2011/07/13

2011/06/29 Hadoop勉強会メモ(鉄道編)

Hadoopを中心とした分散環境での開発方法論・モデリング・設計手法等についての座談会(第5回)のメモ。

■システムの耐用年数10年(開発4~5年、規模10Mステップ、10K人月)
 進路制御のシステムはガチガチなつくりで、耐用年数も20年を超える
 →システムの寿命が長いので、新しく採用する技術の見極めも重要に

■国鉄三大システム
 ・マルス 1960~
 ・コムトラック 1972~
  →鉄道会社別に派生したシステム有
 ・ヤックス ~1984

■鉄道システムに求められるもの
 ・作業の効率化
 ・連続稼働(社会インフラとしての責務)
  →分散処理
   ①可用性のためのしくみ
   ②バッチ処理の高速化
 ・高度な判断支援(ベテランの引退に伴うノウハウの継承)
  →最適化

■連続稼働のためのシステム構成
・Fault Tolerant:1系のみ
・Active-Standby(FT):1系、2系
・Active-Active:1系、2系 ◎現在、これが主流
 →系切り替えは10秒以内、データのリトライからの投入はない。
  ・専用ハードウェアが高価
  ・作りこみが複雑
  ・系を切り替えるタイミングは無限大(試験不可能:不具合の温床)
 →汎用的なハードを使用したい
 →なるべく作りこみを減らしたい
・1系、2系、3系(3系は予備でStandby)
・1系、2系、3系、全部Active
 →多数決をとらせる(magiシステムやね)

■輸送計画のシステムではバッチ処理がほとんど。
・作業のオーダーは数分~数時間
 →この時間を短縮したら、作業の効率化になるかな?
 →Asakusaつかえるかな?

■鉄道における計画問題
 ・作業が俗人的
 ・効率化したい

 ☆研究が盛んだが、実用化はまだ...
  ただ、ハードウェアの性能向上、低下価格化進んでるので..

■システムに求める要望も変化している
・プロフェッショナル向けの機能から、誰でもそれなりの結果を出せる機能へ

■最適化技術
 ・ある条件のもとで最適解または許容解を見つける技術
  ・線形計画法、整数計画法
  ・ネットワークフロー
  ・?

 ☆とにかく数式化・モデリングしないと始まらない

■制約条件もいろいろ
・走行距離とか、検査とかも含める
 それを踏まえて、車両運用案を決めるのが大変。

■乗務員運用のモデリング
 ・車両運用のモデリングと同じ。
  ただし、1車両に複数の乗務員が便乗できるので、数式が少し変わる。

■車両割当のモデリング
 ・組み合わせも膨大
 ・予備の割当も必要
 ・ネットワークフローを使って作業したことも

■1970年代頃から盛んに研究されてきた
コンピュータの高性能化により、机上研究から実証研究に移りつつある。
ただし、実用化はまだまだ...

大手鉄道会社では、実用化を始めているところも...
ただ、まだまだ

■まとめ
鉄道システム
 ・まだまだシステムの介在する領域アリ(未踏領域が多く残っている)
 ・開発サイクル長く、開発も保守的になりがち
  →35年前のコムトラの仕様と大きくは変わっていなかったりする。
  →新しい手法を導入するには、事前の緻密な調査が必要。結構コストかかる。
 ・業務の用件や、システム利用者の意識は常に変化
  →システムは追従の必要アリ
 ・これからの鉄道システムの開発には、多様な技術力が必要


コアな部分とそうでない部分を分けて考えようという流れもある。
 ・コアな部分:保守的でも仕方ないかな
 ・そうでない部分:分散処理とか使ってみようよ

東京メトロは最適化技術を導入しはじめている
京急まだ、基本人力w
 →システムと人間の使い分けをある意味しっかりしている。

市販の参考文献アリ

質問:分散系は、鉄道の周りのサービスで使ってんじゃない?
Suicaの使用履歴(電子マネーの購買履歴)とか、乗車データとかはある。
→データ売ってもお金になる(駅構内のテナントの販売計画とか)
→東急エージェンシーとか、鉄道系広告会社が研究してそう。
→ストーカーみたいなマーケってテーマのひとつだし...

質問:新技術の採用のネック
・保守体制、コストがキーに
 →耐用年数長いしね
  →採用技術(製品)のライフサイクルは結構気にする
 →スピーカーさん自身、途中で終わっちゃったシステムは今のところない
 →エクセルで帳票作ってほしいっていうニーズも
  →10年後のエクセルってw 互換性はー?
 →企業買収とかで、製品の取扱い元が変わって、保守費用UPってことも

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